糖尿病とコーヒー(カフェイン)の関係
糖尿病の人はあまりコーヒーを飲まない方が良いと言われています。
コーヒーには炭水化物が有りますが、100ccあたりにして0.7グラム程度なのでほとんど影響は有りません。
砂糖は入れ過ぎると、当然、悪影響が有るので、控え目にするのは言うまでも有りません。
糖尿病に影響を与えるのはカフェインです。
コーヒー100mlの中に60mg程度の「カフェイン」が入っています。
1日にカフェイン摂取量が200mgから300mgを超えると、つまり、コーヒーを4杯楽しむと、健康な人間でも、カフェインの過剰症状が出ることがあります。
つまり、不眠のほかに、動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などに陥ることがあります。
糖尿病、あるいは糖尿病予備軍の人の場合、コーヒーは1日に4杯以下に抑える工夫が必要です。
これ以上のコーヒーを飲みたい場合は、カフェインの含まれていないコーヒーを探さなければなりません。
余談になりますが、最近アルコールを全く含んでいないビールが流行っています。(結構、美味しいみたいです。)
カフェインを除去したコーヒーが販売されています。つまり、カフェインレスコーヒー(デカフェ)です。カフェインを除去してあるコーヒーです。最初はうまくなかったのですが、年々改良されてきています。
ノンカフェインのコーヒーではたんぽぽコーヒーもあります。これは、たんぽぽから作ったコーヒーです。
どちらのコーヒーも、カフェインを過剰に摂りたくない方、妊婦さんには喜ばれています。 糖尿病グループにいる人も、検討すべきだと思います。
糖尿病予防の効果とコーヒーの関係?
コーヒーと糖尿病の関連について、様々な国で研究がおこなわれています。
わが国では、コーヒーの成分によって、糖尿病の予防と治療に繋がるのではないかと、東京大学付属病院と朝日生命糖尿病研究所の共同で実施した研究調査結果が発表されているそうです。
なお、その他のお茶である紅茶やウーロン茶、そして緑茶などでは血糖値の変化は無かったそうです。
厚生労働省が2002年に発表した糖尿病に関する調査結果によりますと、『二十歳以上の日本人の約17%が糖尿病または予備軍』であるとの恐ろしい事実が発表されています。
日本人のほとんどが、遺伝的な要素に加え、普段の生活習慣および暴飲暴食、さらに運動不足、ストレス等の負担が加わることにより2型糖尿病を発症しています。こうなると、本格的な糖尿病に移行してしまう人が出てきます。
また、オランダでは7年間糖尿病とコーヒーの関係を調査研究したことがあります。その結果は、2型糖尿病を発症する率が1日にコーヒーを7杯以上飲む人の場合は、2杯以下の人と比較し多場合、およそ50%でした。(この場合のコーヒーのカフェイン濃度に関してのデータは不明です。)
これは、コーヒーに含まれている成分であるクロロゲン酸やマグネシウム等が、糖尿病の発症を防いでくれるのではないかと推定されているようです。
一方、フィンランドにおいて、約20年間個の関係について追跡調査が実施されました。この調査では、2型糖尿病の発症率とコーヒーの飲む量とは何ら関係が無かったと発表されています。
異なる調査結果が出ていますが、調査方法によるのか、人種の違いからなのか、将来の研究の成果を待たなければなりません。
糖尿病患者とコーヒーの飲み方
コーヒーにはカフェインが含まれています。
このカフェインの糖尿病(血糖値)に関する研究が進んでいます。
これらの研究によると、コーヒーを飲むタイミングによりカフェインの病気への影響が変わってくることが分って来ました。
食事の時に飲むコーヒー(カフェイン)は、患者の食後の血糖上昇、血中インスリン濃度上昇に強く関与することが判明しました。
コーヒーを沢山飲む通常人は糖尿病になりにくい(予防効果あり)という研究結果もいくつか発表されています。
コーヒーの糖尿病の『予防』効果と、糖尿病を『発症』してからの悪影響の両面が発表されているのです。
『予防』と『治療』とでは食事の栄養素の配分(炭水化物など)も変ります。
例えば、糖尿病患者は食後の高血糖(ブドウ糖)を防ぐために食事の炭水化物(ブドウ糖)の量に注意しなくてはなりません。
一方、糖尿病を予防する上では、体重を落とす事が大切なので、低脂肪、高炭水化物食の方が合うのです。
一般人は食後1時間ほどでブドウ糖がきちんと代謝されます。
2型糖尿病者は代謝はスムースには行われません。特に2型糖尿病の人が食事の時にコーヒーを飲むと、カフェインの影響により、血糖(ブドウ糖)やインスリン濃度の低下に時間が掛るようになります。
しかし、空腹時にコーヒーを摂取しても、カフェインは血糖値にも血中インスリン濃度にもほとんど影響を与えません。
ところが食事によりブドウ糖(炭水化物)の負荷がかかるため、食事の最後に飲むコーヒーが患者の食後の血糖コントロールを悪化させることになります。
つまり、空腹時の血糖値よりも、食事中に飲むコーヒーの食後血糖値のコントロールへの悪影響があるため、食事中/食後のコーヒーは、控えるべきです。