糖尿病の食事療法はそれほど難しくありません(1)
糖尿病の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法などで血糖をコントロールし、合併症を予防する療法です。
この3つをうまく組み合せなければ、効果は期待できません。
運動療法・薬物療法なども大切ですが、その中でも食事療法は血糖の上昇に間違いなく関わってくるため、特に大切になってきます。
糖尿病予備軍と言われたら、きちんと医師と家族と相談することが大切です、特に家族の食事を作る人にはよくお願いしましょう。
医師の指導によって、あなたの年齢、性別、身長、体重、日々の生活活動量などに基づき一日の摂取エネルギー量が決められます。
一日の摂取エネルギーを決めるには、あなたの標準体重を求める必要があります。
<標準体重()=身長(m)×身長(m)×22>で求めた標準体重を使って一日の適正なエネルギー量を出しましょう。
糖尿病の食事療法は特別に食事があるわけでなく、一日の摂取エネルギー量を守り、過剰な食事を避け、栄養素をバランスよくとる事が大切です。
糖尿病の食事療法はそれほど難しくありません(2)
バランスのよい食事とはどんなものを指すのかと言いますと、
1. 主食(ご飯やパンなどの穀物類で主に糖質類を含む食品)
2.主菜(献立の中心となるおかず、魚や肉などのたんぱく質、脂質を含む料理)
3.副菜(野菜や海草、きのこ類の料理)を組み合わせた食事です。
糖尿病の食事療法では、毎日いろいろな食品を適正な量食べる事が大切です。エネルギー量を減らすために、糖質を含む食品だけを減らすのはよくありません。
エネルギー量が少なく、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食品を積極的に食べましょう。
1日3食、 同じエネルギー量の食事でも、1食だけに集中して食べると血糖の上昇が大きくなります。3度の食事の内容が均等になるようにしましょう。
このような食事を組み合わせて、なおかつカルシウムを補うような、乳製品および、果物を適量食べるように心掛けます。
糖尿病の食品交換表や食品成分表を利用して正しい食事療法を身につけましょう。
おすすめは、食物繊維です。
食物繊維は糖の吸収を遅らせ、血糖の上昇を緩やかにします。また、コレステロールを減らし、脂肪の吸収を抑える効果もあります。
野菜、海草、豆類、いも類、こんにゃくをメニューに取り入れるようにしましょう。
※糖分を多く含む甘いお菓子などは、血糖の急激な上昇につながり、血糖コントロールを乱しやすくなるので、控えたほうがよいでしょう。
※アルコールは中性脂肪を増やし、高脂血症・動脈硬化の原因にもなり合併症の進行につながりますので必ず医師に相談しましょう。
※糖尿病性腎症の場合はたんぱく質の制限が必要となります
糖尿病の食事療法で合併症を食い止める
食事療法の実践を行う事で、糖尿病の状態が改善され、糖尿病合併症のリスクが低くなる事はすでに知られていることと思います。
基本的に、糖尿病の治療の一つの手段として食事療法があげられるのは間違いないかと思われます。
ただ、個人個人によって適した食事内容が細かく違ってくることや、食事の嗜好などの問題から、非常に個別的な側面が強く、具体的に指導を行うとなると複雑かつ難しいものとなります。
一般的には標準体重と身体活動量から、以下の式を用いて弾き出した摂取エネルギー量を提示する事となります。
ですが厳格にこの式にあてはめればよいというものでもなく、今まで糖尿病患者さんが摂取していた食事量との兼ね合いという問題もあります。
極端な話、これまでかなりの量を食べていたにもかかわらず、式から導き出された食事量では現実的には達成出来ない、という場合には現実的な目標を再設定する必要性が生じてきます。
また、指示されたカロリー量を守る事によって、血糖値の改善は出来ても、必要以上の体重減少を招くこともあります。