糖尿病とインスリンの本当の関係は?
多くの患者さんは、インススリンはしっかりとすい臓から分泌されているのです。分泌されているのに、血糖値は下がらない。それはなぜだ?
扉を開ける鍵を持っていても、鍵穴に差し込まない限り扉は開きません。
インスリン(鍵)がすい臓から正常に分泌していても、細胞膜上にあるインスリン受容体(鍵穴)に差し込まれないと、扉を開けません。ブドウ糖が入っていける扉は閉まったままになっています。
原因は、インスリンとインスリン受容体が結合しないことでした。
この状態を、インスリンの元気がないとか、インスリン受容体の元気がないと表現する場合もあります。
元気なインスリンは、インスリン受容体と結合しやすいのですが、元気がないと結合しません。同じく、インスリン受容体の元気がないと、インスリンを受け付けなくなり、はねつけてしまいます。
• インスリンの元気がない
• インスリン受容体の元気がない
• 両方とも元気がない
こういうパターンが考えられます。なぜその片方、あるいは両方が元気をなくしてしまうのでしょうか。
なぜ結合しないのでしょうか。それは、GTF(グルコース・トレランス・ファクター、「ブドウ糖耐性因子」)が不足しているからでしたね。
では、なぜこのGTFが不足するのでしょうか?そこがポイントになってきますね。もう少し、考えてみましょう。
糖尿病の原因はGTF(さらに、クロム)の不足にあった
糖尿病とクロムの関係
GTF(グルコース・トレランス・ファクター、「ブドウ糖耐性因子」)の不足が、インスリンとインスリン受容体の元気を奪い、それが糖代謝の異常を起こす、ということが分りました。
ここで、体内のGTFが不足してしまう原因を突き止める必要が有ります。
GTFとは、次の3つの成分が組み合わさってできている物なのです。
• 三価クロム、ビタミンおよびアミノ酸
主に、この3つが組み合わさって、細胞内でGTFを作っています。この内、問題になるのは、「三価クロム」なんです。
三価クロムは、私たち人間に必要な微量元素の一つです。
クロムがなければ、生きていけません。糖の代謝に必要なGTFの主成分であるクロムは、人体が最も必要としている成分の一つと言えます。
糖尿病の発症までのパターンとしては、こうなります。
糖尿病はGTFの不足から発生することが明らかになりました。さらに、その理由は、主要成分であるクロムの不足から引き起こされている事がわかりました。
クロムと糖尿病との関係について最近行なわれた調査及び臨床実験がおこなわれました。
糖尿病2型(生活習慣病由来)の患者の血清中クロムの量が、正常な人の、約半分!であることが、分かったのです。つまり、糖尿病の人は、糖尿病でない人より、体内のクロムの量が少ない、しかも半分しかありませんでした。
ここまでの事実関係が判明しました。
クロム問題を解決するための奮闘も続いています。その状況についても、チェックの上、近いうちに報告したいと考えています。